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【R18】初恋を君に

第12章 孤独


「もう・・・1人は嫌だ。」

締める力はどんどん強くなる。
1人にしないで・・・
その言葉に疑問を抱く。
どうして兄さんは泣いているんだ?
・・・もしかしたら・・・
これまで家族を失ってきたのが蘇ってきたのかな。
本当の両親を無くし、引き取られた先でも亡くし・・・
その後に出会った僕まで失うことに恐怖を抱いているのか。

僕は両手をネクタイから離し、兄さんの顔に手を添える。
兄さんは怖いだけなんだ。
だから・・・こんなに必死に・・・

「にいさ・・・だい、じょうぶだよ・・・兄さんを・・・1人にしないから・・・」

「は・・・?綾斗?」

「かはっ・・・うっ・・・にいさ・・・僕は・・・兄さんが好きだよ・・・」

僕は兄さんが好きだ。
勿論、それは家族としての好き。
こんな兄さんは怖いけど、僕が昔から知ってる兄さんには変わりない。
優しくて、強くて。
そんな兄さんが僕はずっと好きだった。
だから、前みたいに戻って欲しい。

「にい、さ・・・」

既に両手には力が入らず床に落ちてしまった。
これ以上は耐えれない。

とうとう意識は途切れ、最後に聞こえた兄さんの声は震えていた。

「そんな・・・いやだ・・・あぁぁぁぁぁ!」

これ以降、僕は目を覚ますことは無かった。
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