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【R18】初恋を君に

第9章 影


「綾斗、入るぞ?」

「うん。」

退院の準備をしていると柊達が入ってきた。
仁もいる。
わざわざ遠いのに、電車を使って来てくれたようだ。

「皆・・・どうして・・・」

「退院おめでとう。この後、皆でご飯食べるんだけど・・・綾斗も来ない?」

「勿論、仁の奢りで。」

「はぁ?!綾斗だけだ!」

もう皆とはあまり会えないって思ってた。
話すことも遊ぶことも。
減ってしまうって思ってた。
でも、こうやって誘ってくれてる。

「うん・・・行きたい。」

「なんで泣いてんだよ(笑)」

「うぅ・・・だって・・・最後まで皆と過ごせなかったから・・・嬉しくて。ありがとう。」

「・・・お礼言うなら柊に言いなよ。」

「あ!仁!それは言わないって!」

柊が慌てて仁の口を押え顔を赤らめている。
その光景がまた眩しくて見えて、より嬉しくなる。

「柊・・・ありがとう。」

「お、おう・・・////」

「誰かさんが『綾斗を元気付けたいから何かしてあげられないかな・・・』ってずっと落ち込んで寂しそうだったからなー。」

そうだったんだ。
気づかれてたのかな。
僕の気持ち。

「ほんと、お前ら仲良いよなー。」

「類は友を呼ぶってやつ?イケメン同士。」

「間違いねぇ(笑)」

皆が僕達のことをからかい始めた。
少し嬉しい。
不安だったけど、クラスが変わってもこの人達となら何も変わらない気がする。

「ほら!もう行くぞ!////」

柊の顔はより一層赤くなり、僕の荷物を抱えてくれた。
そういう所なんだよな。
僕は皆が後ろを向いたのを確認して、柊の服を軽く引っ張った。

「ん?」

「柊、大好き。」

そうコソッと耳元で囁いた。

「・・・ぷ、はは!顔真っ赤!」

「あ、綾斗っ・・・ずる・・・い・・・」

「ほらほら、置いてかれるよ。」
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