第9章 影
結局、兄さんにも相談が出来ず、もうすぐ1ヶ月が経ちそうだった。
あの日から僕の元には気持ちの悪い手紙が送られてきた。
『柊って誰?俺の事放っておいて他の男のところに行くの?』
そんなことばっかりだ。
最近は、柊に対しての怒りの手紙になってきていた。
「次の授業何だっけ?」
「・・・あ、えっと・・・化学。」
体育の授業が終わり、更衣室で着替えながら柊と仁と駄べる。
バスケでかなりの汗をかいた為、タオルを取り出そうとバッグを漁る。
「あれ・・・無い・・・」
「どうした?」
「タオルがないんだ。持ってきたはずなんだけど。」
「えー。ほんとか?それ。」
「うん。間違いないよ、体育の前に確認したから。」
結局見つからず、柊がまたあの時のようにタオルを貸してくれた。
おかしいな・・・
何処で落としたんだ?
急いで着替えて化学の授業を受けることにした。