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気持ちいいことしませんか

第8章 復讐





薔さまが、ふたりで過ごす最後の夜だから、と買い物に行かれました。
あたしもご一緒したかったのですが、『僕のせいで足がすごく痛そうだから、無理しないでいい子で待ってて』なんて、悲しそうに言うから。
『はい』と返事してしまいました。
薔さまと一緒なら痛みなど全然平気なのに。
でも薔さまが『いい子』で待ってるよう言ったから。
薔さまが待っててと言うなら、あたしはいい子で待ちます。





ピンポン、て。
チャイムが鳴って。


おかしいな、とは思いつつも。
薔さま鍵忘れたのかしら?なんて呑気な思考回路で。
つい、玄関を開ければ。



「姫月!!大丈夫だった?」



すごく心配そうに、そこには霧生くんが立っていました。



「姫月、良かった無事で。何もされてない?痛いとこは?」
「き、霧生くん待ってください………っ、なんの話ですか?」
「…………足!!その痣。やっぱり鷹司に捕まってた?」


霧生くんが跪いて、痣になっていた足に、触れた。


「酷いなこれ。なんか繋がれてた?」
「ま、待ってください霧生くん!!」


ぎゅ、て。
抱きしめる彼から逃げるように手を伸ばせば。
その手を握って、さらに霧生くんが抱きついてくる。


ゾワ



瞬間。
ものすごく嫌悪感が先立って。

「いや!!」


思わず突き飛ばしてしまいました。


「あ…………。ごめんなさい」
「大丈夫。俺の方こそごめん。今まで散々酷いことされてたもんな。男が怖くなるのもわかるよ」
「なんの、話です?」
「望月さんから全部聞いたよ。怖かったでしょ?今まで」
「ま、待ってくださ………。朱莉ちゃんが、なんですか?意味が、わかりません」


嫌な予感。
嫌な予感。

声が、震えてしまう。


「鷹司だよ」
「しょ………っ、先生、が、何ですか?」
「何って。今まであいつに虐げられてきたんでしょ?」


「しぃた…………っ、なんですか?それ!!」


なんで?
何が、どうなってるんですか?
どうして朱莉ちゃんが?
薔さま………を。


薔さま。
薔さま早く帰って来て!!
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