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気持ちいいことしませんか

第7章 『許すと、思う?』


「え」
「解放してあげようか」
「薔、さま?」



解放してあげるよ華。
僕から解放してあげる。
こんな風に支配したいわけじゃない。
こんなに怯えさせたいわけじゃない。



「きっといつか、僕は華を壊してしまうから」



だから華。
今のうちに逃してあげる。
僕から解放してあげるよ。



がしゃん、て。
華の足枷を外せば。
そこは赤く、あざが残っていて。
擦れたような、内出血まで。


「ごめんね」


右足へと、そのあざへと口付けをして。
両手であざを覆った。
華の真っ白な綺麗な肌、だったのに。
誰にも傷つけさせたくない、って、思ってたのに。
自分が傷付けた。
たぶん身体だけじゃない。
華の、心まで。


「行って華。これ以上一緒にいたら、何するかわからない。今度こそ本当に壊してしまうかも………」

そう、華へと向けた背中。
華が僕から離れていくところなんて見たくないから。
だから。
敢えて背中を向けたのに。
降ってきたのは背中に触れる温かい体温。
と。
胸へと回された震える小さな手。


「ごめんなさい薔さま………っ!!嫌だ、華を嫌いにならないで………っ。追い出さないで薔さま。学校行きたいなんてわがまま言ってごめんなさいっ!!もう言わないから………、お願い薔さま、嫌いにならないで………ッッ」

必死にしがみ付く、細くて真っ白な、震える手。


「華は、薔さまに捨てられたら行くところなんてありません…………っ」
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