第7章 『許すと、思う?』
「薔………」
だめ。
考えがまとまらない。
嫌われたくないのに。
返事、しなきゃいけないのに。
手も足も鉛を着けたように重くて。
張り付いたように渇いた喉からは声さえ出せない。
「華」
「あ………」
勝手に震える体を制御できない。
瞼が、重い。
体が、重い……。
「━━━━━━━っふ、んんっ」
全部闇の底へと沈めようと目を閉じれば。
くたりと動かない体は薔さまに抱き起こされ、口からは。
トロリと冷たいお水が流れ込んできた。
「…ん、ふ」
ゴクリ、と飲み干したそれは驚くくらいに美味しくて。
薔さまの口内のお水を飲み干した後も、何度か自分から薔さまにねだり、薔さまは笑顔であたしへとそれを流し込んでくれたのです。
「……まだ寝かさないよ、華」
飲みきれなかったお水が口の端から零れると、薔さまはそれをペロリと舐めとってから。
そのまま唇を下へと、移動させて行く。
「━━━っ、薔、さままっ…!!今、だめぇっ」
先ほどから何度も何度も達した体は、そんな少しの刺激さえも貪欲に貪ろうと悦び震え始めるんだ。
気持ちいい。
だけど、それは敏感になっている体には拷問のように苦しくて。
ただただ、震えるしか出来ないあたしのブラウスのボタンを薔さまは容易に外すと。
迷いなくふたつの膨らみに手を伸ばした。
「すごいね華、触る前から固くなってるよ?」
「や…だぁ…っ、ぁ、ああん…っ」
カリ、て。
軽く歯を立てられただけで目の前がチカチカ、する。
「華」
「ひ、やぁあああっっんん……っ」
甘噛みしながら、片方の掌は胸の先端をカリカリと爪で引っ掛かれ、さらには甘噛みしていた方は口に含まれ転がされる。
無理。
こんなの、壊れちゃう……っ
壊れる。
「━━━━っ、れ、る……っ、しょ、さまぁっっ」
「壊してるんだよ」