第1章 お嬢様の好きな人
苦しくて。
息が出来ないのです。
薔さまの吐息がそこへかかる度に。
先ほどまで触れていたそこを薔さまが舐める度に。
膝が、足が。
震えて立っていられない。
立っていることが辛いのです。
「薔、さまぁ………っ」
汚いのに。
そんなとこ、薔さまに舐めて頂くなんておそれおおいことなのに。
今すぐやめて頂くべきなのに。
「震えてる、嫌?」
「ちが…っ、違います……っ」
「じゃぁ、続けていいの?やめる?」
「それは……っ」
「華の体なんだから、華が言ってくれないと僕にはわからないよ?嫌なら止めるから」
そんな。
そんなこと……っ。
言葉にするなんて恥ずかしすぎて、首を左右に振るので精一杯です。
「どーする?もう止めた方がいい?嫌?」
薔、さま。
ほんとにあたしを気づかって、心配してくれてる。
あたしがあんまり嫌がるから……。
嫌なわけじゃ、ないのに。
でも。
だけど。
「嫌なんかじゃ、ありません」
唇をぎゅ、って、噛んで。
小さくそう告げれば。
「じゃぁ、続けていいの?」
嬉しそうな薔さまの、声。
「……お願い、します」
恥ずかしくて。
恥ずかしすぎて。
声が震える。
でも。
だけど。
薔さまが悲しむのは、もっとずっと、嫌です。
「よく言えたね。じゃぁ、ご褒美ね?」
「え」
やっぱり天使のような笑顔に見惚れてボー、っと、すれば。
同じ場所へと再開される薔さまの舌での刺激。
だけどいつもと違うのは。
ピチャピチャと舐めるだけだったその場所へ、薔さまは思い切り吸い付いたのです。
そのまま口の中でコロコロと転がせられれば。
あまりの刺激に目の前がチカチカと点滅したのを覚えています。
「___ッッああっ…っ、あ、やぁ、あああっっ!!」