第2章 サディスティックな目覚め
キョトン、と、おっきな瞳を無邪気に僕へと向けて。
首を傾げる彼女の額へと、もう1度キスをする。
「だって僕たち結婚するんでしょう?」
さらに耳元でそう、囁きついでに耳たぶを甘噛みすれば。
くすぐったそうに身を捩りながらも懸命に僕へしがみつく姿が、やっぱりかわいい。
「し、薔さま」
「ん?」
「結婚、て?」
「僕は華が大好きだから結婚したい。華は違うの?」
「いいえ…っ、いいえ薔さま……っ、華はこの家に来たときから薔さまをお慕いしていました…っ」
「うん、知ってたよ」
だってそう、僕が仕向けたんだから。
「華は僕との結婚は嫌?」
「嫌なんてそんな贅沢なこと!!だけどきっとお母様は…」
拒絶の言葉はいらない。
そんな言葉は、唇ごと飲み込んであげるね?
サイドテーブルにおいた錠剤を口に含み、キスでボーッと蕩けている華へ、再度唇を重ねる。
そのまま、唾液をトロリと華へと流し込み、ついでに喉の奥へと先ほどの錠剤を押し込めば。
簡単にゴクン、と、上下する彼女の喉。
「薔さま…?」
「大丈夫、僕が華を傷付けるようなことするはずないでしょ?」
「でも、今あたし何を……?」
「気持ちよくなるお薬」
「……ぇ」
「だって今日、華は2度も僕に逆らったんだよ?」
「……そんな…っ、そんなことしません、華はっ」
「ほら、3度目?」
「……っ」
「勝手に僕以外の男から物をもらったよね?」
「ぇ」
「お母様を理由に、僕を拒絶したよね?」
「してません…っ、華が薔さまを……!?__ッッあ!?」
起こしていた上半身を、胸を押さえながら前へと倒す華。
呼吸が、荒い。
震える体。
すごい、ほんとに即効性あるんだ。
「ねぇ華、気持ちいいこと、しようか?」