第10章 ONLY YOU
今日は後輩くんたちから頼まれて訓練に付き添ってみたけど、すごく良い運動になったな!
やっぱり、私は机に向かってるよりも体を動かす方が合ってるわ。
今度は私から言って参加させてもらお!
ふと立ち止まり、技術開発局の廊下から窓の外を見れば、もう日が沈みかけて空がオレンジと紫の美しいコントラストが浮かんでいた。
もう夕方かぁ。
今日も楽しかった!
…でも、マユリ様とは会えなかった。
技術開発局にいても、忙しいマユリ様に会えないことはザラだけど寂しいな…。
一日一回は会って、声を聞いて、皮肉を言われて、ほんの少しの間だけあの金色の瞳を見つめられたらそれでーー…
って、こんな綺麗な夕空を見てセンチになってるのかな。
「はぁ」
小さくため息をついてまた廊下を歩き出した刹那、突然腕を掴まれた。
「え!?うわっ!!」
掴まれた途端、グイッと力任せに引っ張られ、気付いたら私は倒れこむように近くの部屋に引き込まれていた。
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