第8章 My ANSWER that don't come true
本当の心を手に入れなければ、あの心からの笑顔を私のものにすることはできない。
手に入れたいものを全て手にしてきたこの私が唯一、本当に手に入れたいものはこの先幾年待てど手に入らない。
誰もわからないならば孤独でいいと、自身を満足させられるのは解剖と研究と実験だけだと、私より馬鹿な低脳共との馴れ合いなど願い下げだと…そう思っていたのに。
皮肉なものだ。
科学者が科学では解明できない感情に頭を悩ませている。
リコーー…
…会いたい。
同じ場所に居たい。
言葉を交わしたい。
名前を呼びたい。
視線を交錯させていたい。
触れたい。
手を重ねたい。
抱きしめたい。
私だけに、その笑顔を向けてくれ…。
これほどまでに君に心奪われていたとは、自分でも甚だ可笑しくなってくるヨ。
やり場のないこの熱情を抑えながら今は君のことだけを考えていたい。
寝ても覚めてもお前のことばかり。
我ながら女々しくてうんざりだヨ。
実験も解剖もやりたいとは思うが、もう研究心が滾るほどではないネ。
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