第7章 LOVEsickness
「ひ、秘密にしていた訳ではないんですよ?マユリ様はそういうの興味なさそうですし」
「ふんっ。まぁいい。それで?」
マユリ様は腕を組み、椅子に座り直す。
「はい。その撮影にマユリ様の羽織が必要なんです。マユリ様の羽織と一緒に撮影したいんです!だから、お願いします…!」
私は頭を下げて必死に懇願する。
その羽織がないと、今回の撮影のテーマに合わないというか、撮影できたとしても納得いくものになる気がしないし…。
だからどうか…!
どうか!!
「はぁ…。仕方ないネ」
マユリ様は一つため息をつき、羽織を脱いだ。
「これで満足かネ?」
マユリ様は脱いだ羽織を私に手渡す。
貸してもらえると思ってなかった私は、思わず笑顔が溢れてしまう。
「はい!ありがとうございます!」
マユリ様はそんな私を見て、フッと一瞬だけど小さく笑った。
「これから新種の虚の生体実験と…使い終わったらその解剖でネ、どうせ数時間は袖を通さない。だが、その撮影とやらが終わったらすぐ返すんだヨ。いいネ?」
「はい!」
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