第7章 LOVEsickness
「マユリ様、お話が…。あ、いえ…お話というよりお願いがあって来たんですけど…」
「何かネ?」
私はマユリ様が技術開発局の局長室に戻ってくるタイミングを見計らい、折り入ってとあるお願い事をしていた。
「とっても言いにくいのですが!マユリ様の隊首羽織を数時間だけお借りできませんか…!?」
緊張し過ぎて息を吸うのを忘れ、早口で一気に言葉を吐き出した。
はぁ…。
言っちゃった…。
マユリ様は案の定、怪訝な顔してらっしゃるし…。
「何故?」
「え?」
「え?じゃないヨ。それはこっちが言いたいところなのだが?」
「あはは…。それはえぇっと…」
一考してくださるんだ!
何の余地もなくただ拒否されると思ってたから、拒否されてからどうするかしか考えてなかった…。
うーん、それはそれで困ったな。
まさか、理由を言うことになるとは…。
_