第5章 From CONFLICTS
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リコが去ってからすぐ、阿近がマユリの後ろから歩いて来る。
「隊長も大変っすね。素直過ぎて皮肉も通じてませんよ、アレ」
「ただの阿呆だヨ、あいつは。どちらかと言うと、十二番隊には珍しい戦闘向きの隊士だ。バカ正直だから疑問を持たない。研究者には向かないネ」
マユリはやれやれと肩をすくめる。
阿近は、「じゃあ何でリコを自分の隊に入れたがってたんだ?自分がこの隊に入れたんじゃねーか」という言葉をぐっと飲み込む。
「それを努力で補ってんですから大したタマですよ。その証拠に、貴族差し置いて首席で卒業ですし。流魂街から首席入学は稀にあると聞いたことありますが、卒業となると学院で学ぶ内に元々の能力が開花していく貴族たちとはどうしても差が付きますから…。流魂街出身者で首席卒業なんか、聞いたことありません」
「そこが面白いところなのだヨ。努力で天才たちを凌駕していくのは実に爽快じゃないか。ま、この私には千年経とうと敵わんがネ」
「はは。そっすね〜」
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