第14章 LOSS of hope
あの事件から一週間、私はずっと技術開発局で旅禍の侵入で破壊された瀞霊廷の機器の修理に明け暮れていた。
それも騒動が鎮静化していくのと同じように忙しさも落ち着いていき、ようやく元の瀞霊廷も技術開発局も静けさを取り戻しつつある。
ケガを負った渋舎くんもやっと昨日療養期間が開け、私の班と合流した。
でも、私の心はあれからも静かになることはなく、ずっと鬱屈した感情でいっぱいだった。
隊長は例の旅禍との戦闘で負傷されたとのことで、珍しく休暇を取られている。
だから、例のことも今まで聞けていなかった。
「リコちゃん、大丈夫?」
隣で作業していたニコちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「あ、うん!大丈夫だよ」
「お疲れみたいだから、すぐお茶持って来るね」
「なら私が…」
「いいから座ってて!」
立ち上がろうとした私を、ニコちゃんが肩に手を置いて座らせる。
「ありがとう、ニコちゃん」
「いいっていいって!」
ニコちゃんがにっこりと笑って給湯室に向かって行った。
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