第6章 “想い”と“ライバル”※微裏注意
(さくらSIDE)
消ちゃんの様子を見て安心した私は、1度家に帰ることにした。外はすっかり夕暮れ時で、夕焼けが眩しい。
「あ、鋭児郎に消ちゃんが意識戻ったことLINEしておかなきゃ」
私はポケットからiPhoneを取り出す。
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< 鋭児郎 📞=
....................................17:27 さっきはありがとう☺️
....................................17:27 消ちゃん意識戻ったよ🥺
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そう短く打ち込んで、帰路につく。やがて、夕焼けがよく見える河川敷を通りかかると、思わず足を止めた。そこは、私が1人になりたい時によく来る場所で、あまり人が来ないから、考え事するには絶好の場所。私は河川敷の草むらに座る。
「なんか、昨日今日で一気に疲れちゃった…明日から学校行かなきゃだし、もう少ししたら帰ってゆっくり休もう。」
川のせせらぎの音、風の音、草の音…耳を澄ませば、自然の音が耳に入って気持ちが落ち着く。昨日の1件で、私は身に染みてよくわかった。私はまだまだ弱い。まだ、誰かに助けられるという立場に立っている。いつまでもこのままじゃいけない…強くならなきゃいけない。
ピロン…
LINEの通知音がなって、ポケットからiPhoneを取り出す。相手は、鋭児郎だった。