第5章 平和の象徴
「オールマイトォオーー!!!」
「オールマイト先生!!!」
「なっ、緑谷少年…四楓院少女…!!」
私たちは、咄嗟に先生に向けて手を伸ばした。もう、誰も傷つけさせない!もう誰も!殺させはしない…!!
「浅はか…」
その瞬間、私たちの前にワープゲートが現れ、私たちは自分たちからそこに突っ込んでしまう形になってしまった。
「なっ…!」
そんな…!オールマイト先生…!
ドォオオン…
「どけっ!邪魔だデク!ひ弱女!!」
「「ーーー!」」
突然そこに現れたのは、勝己くんだった。勝己くんは黒霧に爆発をお見舞いすると、黒霧を掴み、地面に叩きつけた。
「おらぁああ!!!」
それと同時に、次は地面が凍り始めた。その現象は地面を伝い、ワープを潜り、脳無の半身を凍らせた。しかし、オールマイト先生が凍らないように上手く調整されていた。その正体は、氷結の個性を発動させた轟くんだった。
「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた。」
力が弱まった脳無から、オールマイト先生はなんとか脱出した。
「だああぁあ!!」
「鋭児郎!!」
そこに、鋭児郎も合流した。彼らがここにいるということは、飛ばされた先で待ち構えていたヴィランたちを倒したということ。そして、黒幕を倒すため集まってくれた…!
「おう、大丈夫かさくら!相澤先生は…!」
「っ…」
鋭児郎の言葉に、私は唇を噛み締めた。
「…そうか…一足遅かった。くっそ!いいとこねー!」
「スカしてんじゃねえぞモヤモブが!」
「平和の象徴は、てめぇら如きに殺れねえよ」
「かっちゃん…みんな…!」
人数的にはこちらが有利…だけど、力の差は歴然…圧倒的に向こうが上…どうする。オールマイト先生が居ると言っても昔の傷跡が開いてしまって満足には戦えない。入試1位の勝己くんと推薦入学した轟くんがいても、所詮私たちはまだ入学したばかり…プロヒーローたちの足元にも及ばない。でも、必ず倒す…消ちゃんの仇は…必ず…!
「黒霧は…出入口をおさえられた。こりゃピンチだな…」
「へっ…このうっかり野郎め。やっぱ思った通りだ…靄状のワープゲートになれる箇所は限られてる。その靄ゲートで実体部分を覆ってたんだ…そうだろ?あん時…全身靄の物理無効人生なら、危ねぇっつー発想が出ねえもんな!」
「ぐっ…」