第2章 波乱の初日
私と鋭児郎と同じ結田付属中学校出身でよく遊んでいた仲だ。
「よォ芦戸!またよろしくな!」
「また一緒になれて嬉しいよ〜!よろしく!」
顔馴染みの友達がいて、ちょっと緊張がほぐれた私は教室に入り、自分の席を探す。席はちょうど真ん中あたり...右から3番目の1番前だった。鞄を机の横にかけて座ると、ブレザーからiPhoneを取り出す。LINEアプリを開いてメッセージを送る。宛先は消ちゃん。
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< 消ちゃん ...📞=
...................................8:26 雄英高校に着いたよ〜^^*
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メッセージを送り終えると、iPhoneをブレザーのポケットにしまう。
「ねえねえ」
不意に声をかけられ、左を向くと...
「ひゃっ!?」
そこにいたのは...制服が喋っていた...ように見えただけでそれは、透明の個性を持った生徒だった。女の子のようだ。
「あ、驚かせてごめんねっ!私は葉隠透...透明の個性を持ってるの!」
「私こそ声上げてごめんね。私は四楓院さくら!よろしくね葉隠さん!」
「透ちゃんでいいよ!私もさくらちゃんって呼んでいいかな?」
「うん、じゃあよろしくね透ちゃん!」
透ちゃんは全身透明のせいで表情は分からないけれど、制服の動きからしてとても喜んでいるようだった。
「ね、さくらちゃんはどんな個性持ってるの?」
「私は美肌!敵の攻撃を受け流すことが出来るの。あとは自分の皮脂を操って攻撃もできるよ!使いすぎると乾燥肌になってヒビやあかぎれができちゃうけど...」
「へー!美肌なんだ!だからそんなにつやつやの白い肌なんだねー!いいなあ、しかもかわいいし羨ましい...!」
「そ、そんな事ないよ!私より可愛い人なんてたくさん...」
私より可愛い人なんてたくさんいる。そう言いかけたその時、LINEの通知音が鳴る。iPhoneを取り出してLINEアプリを開くとメッセージ1件。相手は消ちゃんだった。