第4章 忍び寄る魔の手
午後12時50分
「今日のヒーロー基礎学だが俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見ることになった。」
消ちゃんの言葉が頭に引っかかった。…なった?特例なのかな?
「はい!なにするんですか?」
瀬呂くんが手を挙げて質問すると、消ちゃんは『RESCUE』と書かれたカードを取り出した。
「災害、水害なんでもござれ…レスキュー訓練だ」
「レスキュー…今回も大変そうだな」
「バカ、お前ぇ…!これこそヒーローの本分だぜ!鳴るぜ腕が!」
「水難なら私の独壇場…ケロケロ」
みんなが意思を燃やす中、消ちゃんの説明は続く。
「おいまだ途中。今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。なかには活動を限定するコスチュームもあるだろうからな…訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上だ…準備開始」
救助訓練…私が一番苦手なタイプ。逆に自分が救助されるんじゃないかって不安だけど…でも逃げてばっかじゃいられない。消ちゃんのサイドキックになるために…頑張るぞ!
15分後、皆は各々服を着替え、バスに乗り込んだ。学級委員長に就任した飯田くんは笛を持ってフルスロットルだったけど、なんか色々空振りしていて芦戸ちゃんから「どんまい」と言われる始末。そんなバスの中。
「私、思ったことはなんでも言っちゃうの。緑谷ちゃん」
「あ、はい蛙吹さん…!」
「梅雨ちゃんと呼んで…あなたの個性、オールマイトに似てる」
「「!!!」」
梅雨ちゃんの言葉に、私とデクくんは肩が跳ねた。梅雨ちゃん鋭い…!
「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトはケガしねえぞ?似て非なるアレだぜ?」
ナイス鋭児郎…!!!
「しっかし、増強型のシンプルな個性はいいよな!派手でできることが多い!俺の硬化は対人じゃ強ぇけど、いかんせん地味なんだよな〜…」
「僕はすごいかっこいいと思うよ!プロにも充分通用する個性だよ!」
「プロな!しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなとこあるぜ?」
「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み」
「でもお腹壊しちゃうのは良くないね」
そこ触れないであげて芦戸ちゃん…!
「まあ、派手で強ぇっつったらやっぱ、轟と爆豪だよな!」