第4章 忍び寄る魔の手
「え、なにこれ?」
「学生証や通行許可IDを持ってないやつが通ると、セキュリティが働く。ヒーロー養成学校だけあって、ここを狙うヴィランもいるからな。」
「へー...さすがは雄英。」
オールマイトが雄英の教師に就任したってニュースは全国を驚かせ、連日マスコミが押し寄せる騒ぎになっていた。誰もがその事を知っている。
そう、誰もが.......ーーー。
****************************
「昨日の戦闘訓練お疲れー...VTRと成績見させてもらった。爆豪...」
「っ!」
「お前もガキみたいなマネするな。能力あるんだから」
「…わかってる」
「で、緑谷はまた腕ぶっ壊して一件落着か。個性の制御、いつまでも出来ないから仕方ないじゃ通させねえぞ。俺は同じことを言うのが嫌いだ...。それさえクリアすれば、できることは多い。焦れよ緑谷」
「…はいっ!」
消ちゃんの指導は、叱るべきとこは叱りつつ、本人の良い所もあえて口に出して成長させる。言わば飴と鞭を上手く使いこなしてる。
「あと四楓院...今回はばあさんの世話にならなかったそうだな。他のやつなら当然だが、お前にとっちゃあ上出来だ。この調子で体力つけろ。お前はただえさえ体が弱いんだ。緑谷と同様に焦れよ」
「...はい!!!」
今日の朝で実感した。私はまだまだ弱い...もっと体力つけて強くならないとみんなと同じところには立てないし、消ちゃんのサイドキックになんてなれない!彼の隣に立ちたいなら、死ぬ気で頑張らなきゃ!
「HRの本題だ。急で悪いが、今日はキミらに...」
みんなの表情が固まった。今日はどんな試練を与えてくるのか。
「学級委員長を決めてもらう」
「「「学校っぽいの来たー!!」」」
「委員長!俺がやります!」
「俺もやりたい!」
「うちもやりたいっす」
みんなの目に生気が戻った。鋭児郎を筆頭に電気くんや峰田くん、芦戸ちゃん、響香ちゃん、爆豪くんや青山くん...クラスのほとんどが立候補した。普通科なら雑務という感じで、こんなことにはならないと思うけど、ここヒーロー科では集団を導くっていうトップヒーローの素地を鍛えられるっていう役割。