第3章 自分に打ち勝て
「んーっ...聖徳太子〜!!」
すると先生は紙を取り出した。それは、カンペ。
「いいかい?状況設定はヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか、核兵器を回収すること。ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえること!」
設定はアメリカンで面白そうだけど、実際にありえる話...気を引き締めなきゃ。
「コンビ及び対戦相手はクジだ!」
「適当なのですか?」
「プロは、他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いし、そういうことじゃないかな?」
「そうか...!先を見据えた計らい...!失礼いたしました!」
「いいよ!早くやろう!」
さすがはヒーローオタクのデクくんはなんでも知ってる。他の人が知らないマイナーヒーローも知ってるし、きっとヒーローが本当に好きなんだね。消ちゃんの事を知ってるのは、ヒーロー仲間くらいだろうし...それを知ってたなんて、どこから情報を得たのか。そんなこんなで、クジを引いてチームが決まった。チームの割り振りはこうだ。
チームA 緑谷&麗日、チームB 障子&轟、チームC 峰田&八百万、チームD 爆豪&飯田、チームE 青山&芦戸、チームF 砂藤&口田、チームG 上鳴&耳郎、チームH 常闇&蛙吹、チームI 尾白&葉隠、チームJ 切島&瀬呂という形になった。私はと言うと、振り分け人数の関係であとでオールマイト先生と組むことになった。
チームが決まったところで、オールマイト先生は早速「HERO」と「VILLAIN」と書かれた箱を用意すると、中に手を入れた。
「最初の対戦相手は...こいつらだ!」
引かれたアルファベットはDとA。つまり、爆豪くんとデクくんの対決。
「Aチームがヒーロー、Dチームがヴィランだ!他の者はモニタールームに向かってくれ!」
「「「はい!」」」
皆が一斉に返事をすると、オールマイト先生と一緒にモニタールームに向かう。私も同じように足を進めたけど、どうもデクくんが気になる。別称の話をした時「ばかにして...」とかって言う話をしてたから、きっと昔からデクくんは爆豪くんにいじめられていたのかも。そのせいかは分からないけど、デクくんは爆豪くんを見て少し怯えているようにも見えた。
