第3章 自分に打ち勝て
「うわあ、芦戸ちゃんのコスチュームかわいい!」
「でしょー!要望通りだよー!」
芦戸ちゃんのコスチュームは両肩にファーがついていて、ノースリーブ型の上下が全身スーツタイプ。緑に紫の柄が特徴的。
「ほんとだよな!うちも希望通り!」
響香ちゃんは、ヒーローコスチュームというよりどっちかと言えば私服っぽいスタイル。チョーカーに黒の革ジャン、白のグローブに差し色でサーモンピンクのインナー、スキニーにブーツとクールな響香ちゃんにはすごく似合ってる。
「しかし、サポート会社からわずかとはいえ...勝手にデザインなど変えられてしまうのは困りますわね」
「ヤオモモめちゃくちゃエロいよね」
ヤオモモちゃんは、赤のベストっぽい服だけど、胸が大きく開いたデザインでしかもめちゃくちゃミニスカでセクシー。
「私もちゃんと書けばよかった...パツパツスーツになっちゃったよ」
苦笑いを浮かべながらそう言ったのはお茶子ちゃん。ネイビーとピンクを基調とした全身スーツタイプ。ヘルメット、リスト、ネック、レッグ装備...見た目はロックマンみたいでかっこいいけど、この装備はすべてお茶子ちゃんの無重力(ゼログラビティ)による嘔吐対策のためなんだとか。
「でも、自分の個性を最大限に生かせるのはやっぱりいいわね。葉隠ちゃんなんて、それ外したらどこにいるかわからないわ」
梅雨ちゃんも蛙という個性を活かして、足には蛙の足みたいな装備ついてるし、頭にはスコープみたいなのもある。透ちゃんなんてグローブと靴しか履いてないから、そのふたつを外したら完全に透明人間。
「でも、うちらより1番ヤバいのアンタだよさくら」
「ケロ...また峰田ちゃんと上鳴ちゃんが暴走するわね」
響香ちゃんと梅雨ちゃんにそう言われたが、なんの事かわからないが、みんなの目が私に集中すると「あー...」と口を揃えてそう言った。
「四楓院ちゃん、ただでさえエロっちい体してるのに...さらにそれが際立つようなデザインにしてどうするのさ!?」
芦戸ちゃんが半分呆れながら言ってきた。
「え、なにが?」
「なにがじゃなくて...なんていうかこう、いわゆるボンキュッボンだよ」
響香ちゃんが私の体に沿うように手を動かしながら言う。