第3章 自分に打ち勝て
(さくらSIDE)
雄英高のカリキュラム...午前は必修科目。英語などの普通の授業。
昼は大食堂で一流の料理を安価で食べられるけど、私は節約のためにお弁当を持ってきてデクくんや飯田くんと食べてる。そして午後はヒーロー基礎学...
「わーたーしーがー...普通にドアから来たー!!!」
うわぁ...オールマイトだ...!平和の象徴...NO.1ヒーロー!!大災害から1人で1000人を救い出したっていう伝説を作ったヒーロー...!!
「...オールマイトだ...!!」
「すげぇや...本当に先生やってるんだな!?」
「あれ、シルバーエイジのコスチュームね」
「画風が違いすぎて鳥肌が...!」
クラスメイトのみんなも、さすがにオールマイトの登場には感激していた。私も鳥肌が立ってる。テレビでしか見たことがなかった最強のヒーローが今私たちの目の前にいる上に、その人直々にヒーロー基礎学を学べるんだから。さすがは雄英!
「私の担当はヒーロー基礎学。ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う科目だ!単位数も最も多いぞ!」
教卓前に立ったオールマイトはそう紹介すると、筋骨隆々な体をどんと突き出して、1枚のカードを皆に見せた。
「早速だが今日はこれ!!戦闘訓練!」
“BATTLE”と書かれたカードを見せられた途端、「戦闘ォオ!?」過剰に反応したのは爆豪くんだった。その後ろにいたデクくんは「訓練!?」と少し怯えた様子だった。
「そしてー!そいつに伴ってぇぇこちら!!」
オールマイトが壁を指差すと壁が動きヒーローコスチューム入りの番号が書かれた箱が出てきた。
「入学前に送ってもらった個性届けと、要望に沿ってあつらえたコスチューム!」
「コスチューム...!出来たんだ!!!」
それは、待ちに待ったコスチューム。ヒーローの象徴であり、そのヒーローの特徴を最大限に生かせる服装。
被服控除。雄英高入学前に個性届け、身体情報、デザイン等の要望を提出すると、学校専属のサポート会社が最新鋭のコスチュームを用意してくれる素敵なシステム。私も3週間前に被服控除を提出して、この日を待っていた。
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ」
「「「はい!」」」
オールマイト先生の指示に従って、私たちはそれぞれコスチュームをもって更衣室に向かった。