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【ヒロアカ】マイ・ストロング・ヒーロー

第11章 レッツゴー林間合宿





その頃、ひとり広場にいた緑谷に悪魔の手が迫っていた。緑谷の首を後ろから鷲掴みにしている血色の悪い手をした男はフードを深くかぶり、耳元で囁くようにつぶやいた。

「いや、本当信じらんないぜ…こんなとこでまた会うとは!ここまでくると何かあるんじゃって思うよ。運命……因縁めいたもんが…まぁでもお前にとっては雄英襲撃以来になるか。お茶でもしようか、緑谷出久」

死柄木弔が緑谷に迫っていた。緑谷は直ぐに相手の正体がわかったが、ここはショッピングモール…沢山の人がいるここで騒ぎを起こせばパニックは免れない。最悪けが人も出ることは明白だった。それも理解した緑谷は言葉を発しないままギッと死柄木を睨みつけた。言葉を紡ぐ度、死柄木の手の力は強まっていき、緑谷に首を少しずつ締めていく。

「自然に…旧知の友人のように振る舞うべきだ。決して騒ぐなよ…落ち着いて呼吸を整えろよ。俺はお前と話がしたいんだ、それだけさ。少しでもおかしな挙動を見せてみろよ?簡単だ…俺の五指が全てこの首に触れた瞬間、喉の皮膚から崩れ始め、1分と経たないうちにお前は塵と化すぞ」

恐怖と戦いながら緑谷も言葉を発した。

「こっ、こんな人ゴミで…!やったら…すぐにヒーローが…ヒーローが来て捕まるぞ…!」

「だろうな…でも見てみろよこいつらを。いつ誰が個性を振りかざしてもおかしくないってのに、なんで笑って群れている?法やルールってのはつまるところ個々人のモラルが前提だ。『するわけねぇ』と思い込んでんのさ。捕まるまでに20……いや30人は壊せるだろうなぁ…」

「…………!」

緑谷は更に恐怖を覚えた。自分はUSJ事件で死柄木の個性をこの目で見ている。だからこそ容易に動けないのだ。ここは、従うしかない。

「話って…何だよ……」

「ハハハ、良いね。せっかくだ、腰でも掛けてまったり話そうじゃないか…」

緑谷は死柄木に促され、広場の中心にあるヤシの木の周りに設置された背もたれのないコンクリートベンチに腰掛けた。

「だいたい何でも気に入らないんだけどさ、今1番腹が立つのはヒーロー殺しさ」

「仲間じゃないのか…?」
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