第10章 突っ走れ期末テスト!
そしてその後、さらに驚くメンバーが発表された。
「そして緑谷と爆豪がチーム」
「デ……!?」
「かっ…!?」
並んでいた2人が驚いた表情でお互いを見た。
「で…相手はーーー…」
2人の背後に何かがむくりと近づいた。誰か言われずとも2人は気配で気づいていた。恐る恐る見ると、そこに居たのは。
「私がする!協力して勝ちに来いよ、お2人さん!!」
そう、オールマイトだ。まさに最悪の2人と言えるが、ここはヒーロー養成校。仲の善し悪しは関係ないのだ。
「それぞれステージを用意してある。10組一斉スタートだ。試験の概要については各々の対戦相手から説明される。移動は学内バスだ。時間がもったいない…速やかに乗れ」
実技試験のメンバーはこうなった。
芦戸・上鳴VS校長
青山・麗日VS13号
口田・耳郎VSプレゼント・マイク
蛙水・常闇VSエクトプラズム
瀬呂・峰田VSミッドナイト
葉隠・障子VSスナイプ
砂藤・切島VSセメントス
飯田・尾白VSパワーローダー
八百万・轟・四楓院VSイレイザーヘッド
緑谷・爆豪VSオールマイト
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それぞれがバスに乗り込み、波乱の実技試験が始まった。八百万たちを乗せたバスは試験会場に到着し、対戦相手の相澤から試験内容の説明を受ける。
「試験の制限時間は30分。お前らの目的は、このハンドカフスを俺に掛けるか3人のうち1人がこのステージから脱出だ。今回の試験極めて実践に近い状況で、戦闘訓練とは訳が違う。俺をヴィランそのものだと思え。会敵したと仮定し、そこで戦い勝てるなら良し。だが、実力差が大きすぎる場合逃げて応援を呼んだ方が賢明。轟、四楓院……お前らはよくわかってるハズだ」
「!!」
相澤の言葉に2人は心当たりがありすぎた。それは先日のステインとの戦い。ステイン1人を相手にヒーロー科の1年が到底かなうはずがなかった。しかし緑谷の機転によってその場は彼らの勝利となった。
戦って勝つか、逃げて勝つか自分たちの判断力が試される。
「あと、俺はこれを付ける。古典的だが動きにくくなる上に体力が削られる」
見せられたのは腕や足に巻く重り。体重の約半分の重量を装着するハンデだ。相澤はそれを四肢に付けた。
「戦闘を視野に入れさせる為か…」
「さぁな…」