第10章 突っ走れ期末テスト!
そして、いよいよ期末テストが始まった。皆それぞれ勉学に励み、その成果を1枚の答案用紙に書き込んでいく。帰ったらまた勉学に励み…そして、期末テストは3日目を迎えた。
「全員手を止めろ。各列の1番後ろ、答案を集めて持ってこい」
「ありがとうヤオモモ!」
「とりあえず全部埋めたぜ!」
納得のいく声、いかない声。様々な感情が飛び交う中、3日間の筆記試験は終わった。しかし、試験自体はまだまだ終わらない。頭脳の次は身体能力…演習試験が始まった。場所は雄英敷地内にある中央広場。セミの鳴き声が響き渡る中、会場には相澤をはじめミッドナイトやプレゼントマイク、13号、セメントス、スナイプ、エクトプラズム、パワーローダーの8人の教師が生徒を待ちわびていた。ヒーロースーツに着替えたA組が前に並ぶ。
「それじゃあ演習試験を始めていく。この試験でももちろん赤点はある。林間学校行きたけりゃみっともねえヘマはするなよ。諸君なら事前に情報を仕入れて、何するか薄々分かってるとは思うが…」
「入試みてえなロボ無双だろ?」
「花火ー!カレー!肝試し!!」
上鳴、芦戸が余裕の声を上げたが、それはすぐに絶望へと変わる。
「残念!諸事情があって今回から内容を変更しちゃうのさ」
そう言いながら、校長の根津が相澤の操縛布から現れた。
「校長先生!!」
「変更って…」
「これからは対人戦闘活動を見据えた、より実践に近い教えを重視するのさ。というわけで諸君らにはこれから2~3人1組でここにいる教師と戦闘を行ってもらう!」
「え、先生方と!?」
「なお、対戦する組と教師は既に決定済み…動きの傾向や成績、親密度…諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから、発表していくぞ」
相澤の言葉に生徒たちは息を飲んだ。
「まずは轟と八百万、四楓院がチームで…俺とだ」
「(いきなり…消ちゃんとか…!)」
全身の血の気が引くのを感じた。あの目で見られている間は個性は発動出来ない…さくらは轟と接点はあるが、八百万とは接点は正直言うとあまりない。だから彼女がどんな風に戦うのかは体育祭の時にチラッと見た程度だ。