第9章 戻った日常
その日の帰りのHR…
「えー…そろそろ夏休みも近いが、もちろん君らが30日間1ヶ月休める道理はない。夏休み、林間合宿やるぞ」
「「知ってたよーー!!やったー!!!!」」
消ちゃんの言葉に、クラスのみんなは大盛り上がりだ。
「肝試そー!!」
「風呂!!」
「花火…」
「風呂!!!」
「カレーだな…!」
「行水!!!」
峰田くんはいつもの事だが、他のみんなは思い思いに夏らしい言葉を次々と出していく。
「自然環境ですと、また活動条件が変わってきますわね…」
「湯浴み!!!!」
「いかなる環境でも正しい選択を…か。面白い」
「寝食みんなと!!ワクワクしてきたぁあ!!」
ギィイン…
「ただし!」
消ちゃんが一瞬個性を発動する素振りを見せると、みんなは一気に静まり返った。
「その前の期末テストで合格点に満たなかった奴は…学校で補習地獄だ」
「みんな頑張ろーぜ!!」
「クソ下らねー…」
職場体験を終えて、またいつもの賑やかな日常が始まってみんなは楽しそうだった。私もみんなと楽しい時間を過ごし、日々ヒーローへの夢に向かっている。けれど、こうしている間にも必ずどこかでヴィランは悪事を働き、人々を傷つけている…そう、この街にも何か大きな力が動こうとしていることにこの時、誰も予想すらしていなかった。この、仮初の平和はじわじわとくずれてゆく。
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