第9章 戻った日常
それは、足にワンフォーオールを纏わせ、軽々と空中を舞うデクくんだった。それに負けじと私も皮脂の力で勢いを付けて建物を飛びながら先へ進む。
「おおお緑谷、四楓院!?なんだその動きィ!!?ウッソだろ!!」
私とデクくんは、γ内の建物をパルクールのような動きで軽々と乗り越えていく。彼の場合、職場体験でグラントリノから色々学んだのが目に見えて分かった。その動きはどこか勝己くんにも似ている。私も負けていられない!
私はパイプに皮脂を撒いてさらにスピードをつけようとした瞬間、足がツルッとすべり、そのまま落ちた。
「いったー…」
「四楓院さん、大丈夫?」
「うん、へーきへーき!まだまだ学ぶことは多いなあ…」
結局、このメンバーでの1番は瀬呂くんだった。
「お疲れさん少年少女!1番は瀬呂少年だったが、皆入学時より個性の使い方に幅がでてきたぞ!この調子で期末へ向け準備を始めてくれ!!」
「そっか、もうすぐ期末なんだね…」
期末か…範囲めちゃくちゃ広いんだろうなあ…分からないとこみんなには悪いけど消ちゃんに教えてもらおう。
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