第9章 戻った日常
「今まで知りませんでしたわ…どうして教えてくれなかったのですの?困っていたのでしたら、いくらでもお助け致しましたのよ?」
「そうだよ…話を聞いたらさくらが自炊したり節約してることに納得したし…」
「…うん、ありがとうヤオモモちゃん、響香ちゃん…でも大丈夫!私、今の生活がすっごく楽しいから。みんながそばにいてくれたら、それで充分だよ!」
そう笑って言うと、その場にいたみんなが微笑んでくれた、
「まァ…さくらがそう言うなら仕方ないね…分かったよ。ただし、これからは私らに隠しごとはなしだからね?分かった?」
うっ…それは出来ない約束…!さすがに消ちゃんとの事は言えない…!さすがにバレたら色々問題になる。
「う、うん、分かった!」
そして、話の話題はステインへと移った。
「そういや俺もニュース見たけどヒーロー殺し、ヴィラン連合とも繋がってたんだろ?もしあんな恐ろしい奴がUSJ来てたらと思うとゾッとするよ」
「でもさぁ、確かに怖ェけどさ…尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか、執念っつーか…かっこよくね?とか思っちゃわね?」
「上鳴くん…!」
デクくんが咄嗟に電気くんの言葉を遮った。その意味をすぐ理解した電気くんが、慌てて私や飯田くんの方へ視線を送る。
「え?あっ…ワリ!」
「いや…いいさ。確かに信念の男ではあった…クールだと思う人がいるのもわかる。ただ奴は信念の果てに粛清という手段を選んだ…どんな考えを持とうともそこだけは間違いなんだ…俺や四楓院くんのような者をもうこれ以上出さぬ為にも!!改めてヒーローへの道を俺は歩む!!!」
「飯田くん…!」
「さァそろそろ始業だ!席につきたまえ!!」
「五月蝿い…」
「なんか…すいませんでした」
それは、いつもと変わらない景色だった。昨日までの出来事が嘘のようで、私は心のどこかで安心感を覚えていた。
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