第8章 〝仇〟(※裏有)
その後の病室にて。
「なんか…わりィ…」
「なにが?」
「俺が関わると…手がダメになる…みてぇな…感じになってる…呪いか?」
それは、初めて見た表情だった。そして、初めて聞いた冗談。私は思わず吹き出してしまった。
「ふふふ…っ何言ってんの焦凍くん!」
それは私だけじゃなかったみたいで、デクくんや飯田くんもゲラゲラと爆笑した。
「轟くんも冗談言ったりするんだね!」
「いや、冗談じゃねえ…ハンドクラッシャー的存在に…」
「「「ぶーっ!!!ハンドクラッシャーーー!!!」」」
ハンドクラッシャー…!!それが決め手になり、病室から廊下に聞こえるほど3人の笑い声が響き渡った。こんなに笑ったのいつぶりかと思うくらい、久しぶりに大笑いしたような気がした。体育祭以降、さらにみんなの絆は深まり、焦凍くんも心を開き始めていた。
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