第2章 波乱の初日
「ちょっとヒヤッとしたな」
「おれはいつでも受けて立つぜ!...とりあえず、除籍じゃなくてよかったなさくら!」
「な...なんか悔しい...!!」
「これにて終わりだ。教室にカリキュラムなど書類があるから、戻ったら目通しとけ。あと緑谷と四楓院...保健室でばあさんに治してもらえ...明日からもっと過酷な試験の目白押しだ...覚悟しとけ」
「でも相澤先生...私はどこも怪我してないですよ?」
「...心肺機能が低下してるだろ...さっきから呼吸が浅い。また過呼吸を起こすつもりか?」
「うっ...」
「分かったらさっさと緑谷と保健室行ってこい」
そう言うと消ちゃんは行ってしまった。今回はとりあえず助かったけど、私にはまだまだ出来ないことや足りないものが多すぎた。...最下位からのスタート...これからたくさん学んでこの体も強くしなきゃ...消ちゃんのサイドキックになるために.....
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こうして、雄英高校生活初日は終わった。
「はぁ〜...疲れた〜」
「あ、四楓院さん体、大丈夫?」
ふいに声をかけられて振り返ると、そこにいたのは右手人差し指に包帯を巻いた緑谷くんだった。
「なんとかね。緑谷くんこそ指大丈夫?」
「うん、リカバリーガールのおかげで」
「リカバリーガールすごいよね!私もすぐ機能が戻ったよ!」
「あ、緑谷くんに四楓院くん!大丈夫かい?」
「飯田くん!」
そこに飯田くんも合流した。心配して駆けつけてくれたらしいけど、安心したのか、そのまま3人で一緒に帰ることにした。下校中の話の話題は、やっぱり今日の体力テスト。
「しかし、相澤先生にはやられたよ。おれはこれが最高峰!と思ってしまった。教師が嘘で鼓舞するとは...」
飯田くんて怖い人かと思ってたけど、ただ真面目なだけなんだね。
「ねえ、そう言えば緑谷くん変わった名前だよね、デクって。」
「あ...あああのそれは、かっちゃんが昔からバカにして読んでくる名前で、本名はいずくで...」
「別称か...」
「へ!?そうなんだ、ごめんね!?...でもデクって頑張れ!って感じでいいよね...私その名前好きだなあ」