第8章 〝仇〟(※裏有)
勝己くん
「爆殺王」
「そういうのはやめた方がいいわね」
「なんでだよ!?」
「爆発三太郎にしろよー!」
「黙ってろ逆髪!!!」
鋭児郎に弄られながら、勝己くんはやり直しで席に戻った。
お茶子ちゃん
「じゃあ…私も…考えてありました。ウラビティ」
「シャレてる!」
クラスから拍手が起こり、残りは飯田くん、デクくん、勝己くん、私の4人となった。
「ヒーロー名、思ったよりずっとスムーズに進んでるじゃない。残ってるのは再考の爆豪くんと飯田くん、あと緑谷くんと四楓院さんね」
番号順に、飯田くんから言ったけど、彼の名前にみんなが驚いた。その名前はなんと、そのままで。
『天哉』
「あなたも、名前ね?それじゃ、緑谷くんできた?」
「あ、はい!」
さらにデクくんの名前にも、みんなは驚きしかなかった。ボードに書かれていた、彼のヒーロー名は。
『デク』
「緑谷!?」
「いいのか、それで!」
「一生呼ばれ続けるかもしれないんだぜ?」
上鳴くんや鋭児郎が心配そうに声をかけた。でも、彼の意思は変わらないようで、どこか涼し気な表情をしていた。
「うん…この呼び名、今まで好きじゃなかった。けど、ある人に意味を変えられて…僕には結構な衝撃で…嬉しかったんだ。」
そう、それはあの日…対人戦闘訓練でも言っていた。
“いつまでも雑魚で出来損ないのデクじゃないぞ…
頑張れって感じのデクだ!!”
「これが、僕のヒーロー名です!」
「OK!それじゃあ四楓院さんも出来たかしら?」
「はい!」
いよいよ私の番…今まで考えたこともなかった。まさか自分が名校雄英に入学して、こうしてクラスメイトの前でヒーロー名を発表するだなんて…私は春風のように暖かい風になって、みんなを包み込めるようなヒーローになりたい。そう、誰もが笑って暮らせる世界に…
「…咲き乱れヒーロー ブロッサム・ロック!」
「春の風咲き乱れって感じ!いいじゃない!あなたにぴったりの名前よ!」
こうして、皆のヒーロー名が決まったところで授業はおわった。ちなみに勝己くんは『爆殺卿』という名前を考案したけれど、またも先生に却下されて後日再提出という形で終わった。