第8章 〝仇〟(※裏有)
「婆さんの処置が大袈裟なんだよ。んなもんより、今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ」
特別…!?まさか小テスト!?ただでさえヒーロー関連の法律とか苦手なのに…!!
「…コードネーム…ヒーロー名の考案だ。」
「「「胸膨らむヤツきたァアアアッッ!!!!」」」
消ちゃんの言葉に、みんなが椅子から立ち上がるほどの勢いで、教室は一気にヒートアップした。ヒーロー名…!ついに!!
「…というのも、先日話したプロからのドラフト指名に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み、即戦力として判断される2、3年から…つまり今回来た指名は将来性に対する興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある。」
「大人は勝手だ!」
「頂いた指名がそんまま自身へのハードルになるんですね!」
「そ。で、その指名の集計結果がこうだ」
消ちゃんがスイッチを押すと、スクリーンにグラフが表示された。結果はこうなった。上から、
A組指名件数
轟 4123
爆豪 3556
四楓院 2535
常闇 360
飯田 301
上鳴 272
八百万 108
切島 68
麗日 20
瀬呂 14
うわー…!なんかすごい数字で指名来てるんだけど…!?
「例年はもっとバラけるんだが、3人に注目が偏った」
集計結果に喜ぶ子もいれば、ガックリと頭を落とす子もいた。
「だーー!白黒ついた」
「見る目ないよね、プロ」
「1位轟、2位爆豪って…順位変わってんじゃん!」
「さすがですわ、轟さん」
「ほとんど親の話題ありきだろ」
「緑谷無いな!あんな無茶な戦い方するから、怖がられたんだ…!」
「んん………」
確かに、デクくんも指名があってもおかしくないのに…妖崎さんとの勝負でワンフォーオールを使ったから、峰田くんの言う通り逆に怖がられちゃったのかな…
「これを踏まえ、指名の有無関係無くいわゆる職場体験ってのに行ってもらう。お前らはUSJの時一足先にヴィランとの戦闘を経験してしまったが、プロの活動を実際に体験して、より実りのある訓練をしようってこった。」
「それでヒーロー名か!」
「俄然楽しみになってきたーっ!」
「まァ仮ではあるが、適当なモンは…」
「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」