第8章 〝仇〟(※裏有)
目を擦りながら、裸の消ちゃんが身体を起こした。明るい中であらためて見るその逞しい体に、私は昨夜のことを思い出してしまい、顔が熱くなる。
「おい…、さくら。」
「…ひゃぁっ!」
私は消ちゃんに後ろから肩を抱かれ、驚いて思わず飛び上がってしまった。彼は肩に掛けた腕に力を込めて、私を抱き寄せた。
「―――夕べは、なかなか可愛かったぞ…。」
耳元で、優しく囁かれ、私は顔を真っ赤に染めた。
「…消ちゃん…!」
「…何ださくら。夕べは、ちゃんと名前で呼んだろ。」
私は後ろから覗き込むように、顔を寄せてきた消ちゃんの優しい瞳を見た。もう色々恥ずかしくて、目が合わせられない。
「…そんな可愛い顔すると、また抱きたくなっちまうだろうが…。」
「…え?!…ちょ、もう朝なのに…朝ごはんの支度……あっ!」
たじろぐ私なんかお構いなしに、消ちゃんまた私をベッドに押し倒した。
「――今日も休みだ…問題ないだろ、さくら…」
私の反論は消ちゃんの熱い口付けでかき消され、すぐに甘い喘ぎにかわっていった…。