• テキストサイズ

【ヒロアカ】マイ・ストロング・ヒーロー

第8章 〝仇〟(※裏有)


私、こんなに我慢してるのに…消ちゃんの事好きで好きで仕方ないのに。でも、お互い立場的にも年齢的にも無理だって分かってるから、こうやっていつも私ばかり気持ちを押さえ込んでるのに…。

「爆豪の…女になりたかったのか」

「違う…!違うよ!そんなんじゃない!かっちゃんは友達だよ!?私は…ただ…っーー!!!」

私の中で何かがプツンと切れたかのように、目から涙が溢れた。そして、彼には言えなかった本当の理由も。

「…体育祭の2週間前…B組の妖崎艶子さんからある賭けを巡って勝負を挑まれたの…でもその賭けは、私にとっては勝っても負けても意味が無いものだったけれど…でも、負けたくなかった。その賭けは、私にとってとても大切なことで…!」

私は自分の膝の上に拳を作った。その上に、涙が落ちる。

「………」

消ちゃんは言葉を挟むわけでもなく、ただ静かに私の話を聞いてくれていた。














「ねぇ、消ちゃん…ーー…

私…消ちゃんの事…好きで好きで仕方ないのに…

どうして私を引き取ってくれたのが消ちゃんなの…!

消ちゃんじゃなかったら、こんな思いしなくてすんだのに…!」





「ーーーっ…!?」





私はついに、今までためていた気持ちを口に出してしまった。


「私は…身寄りのいない私を引き取ってくれた消ちゃんじゃなくて、相澤消太っていう男の人が好きなのに…!!」


困らせたかもしれない。嫌われたかもしれない。めんどくさいやつと思われたかもしれない…。私の中の気持ちが全て言葉として溢れ出た。もう、一緒には暮らせない…そう覚悟した。でも、彼の表情は戸惑うわけでもなく、呆れたわけでもなく、どうしたらいいか分からないというわけでもなく…ただただ、少し困り顔の中で薄笑い浮かべていた。

「参ったなどーも…言うなら俺からと、そう思ってたんだがな…」

「え…?」

その瞬間、私の体が消ちゃんの胸に寄せられた。いつもの、消ちゃんのタバコの匂いが鼻をつく。私は何が起きたのか分からなくて、今まで流れていた涙がびっくりするくらい止まった。

「消…ちゃん?」

「悪い…正直、お前の気持ちには気づいてたよ…だが、お互いの立場的にも年齢的にも超えちゃいけねえ一線だと、わざと気づいていない振りをしてた。」
/ 237ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp