第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭

『個性ダダかぶり組！！鉄哲VS切島！真っ向勝負の殴り合い！制したのはー！！』

｢両者ダウン！引き分け！｣

『なんとこのガチンコバトル、2組目の引き分け！強い、強いぞヒーロー科ァアア！！』

｢次はいよいよ、1回戦最後の試合ね…頑張ってさくらちゃん…｣

『さあ、いよいよ1回戦最後の試合だ！中学からちょっとした有名人！堅気の顔じゃねえ！ヒーロー科 爆豪勝己！！VS…俺こっち応援したぃい…USJ事件から雄英イチの美少女と話題沸騰中！世の男共が放ってはおかないぜ！同じくヒーロー科 四楓院さくら！！』

ワァアアアア…！！

｢さくら…相手がお前だからって俺は手ェ抜かねえぞ。完膚なきまでの1位になって、お前を手に入れる。｣

｢手加減なんて要らないよ、勝己くん…私も何がなんでも勝ち上がらなきゃいけないから。全力でかかって来なさい！｣

『1回戦最後のバトル、START！！！』

マイク先生のスタートを合図に、私は地面を蹴って走り出した。まずは、自分に有効な状況をつくる！

｢ビューティケア！シーバームリンク！！｣

ーーー対人戦闘訓練の時、デクくんが言っていたことを思い出せ！

私がリンクを滑りながら勝己くんとの距離を詰めるなか、勝己くんは右手を後ろに構えた。

“かっちゃんは、大抵最初に右の大振りなんだ！”

｢そこ！！！｣

ドォオオン…

｢ダメ、わかってでも反応できない…さすがね、勝己くん｣

だったら…！

｢甘く見てんじゃねえぞ、さくら！！！｣

さっきの勝己くんの爆発で起きた黒煙を目隠しに、私はリンクを素早く滑ってかわす。これなら、勝己も背後が見えない！狙うなら、背中！

｢おらぁあ！｣

｢きゃっ…！｣

けれどそれも、咄嗟に振り返った勝己くんの爆発によって遮られ、自分の技が届かない。なんて瞬発力…！私は爆発と爆風の勢いで地面に叩きつけられた。でも、負けるわけにはいかない。すぐに体勢を立て直して、私は指を構える。

｢シーバームショット！｣

せめて、目潰しさえできれば！

｢おせぇ！｣

｢なんっ…！｣

グッ…

私は勝己くんに胸ぐらを掴まれた。やばい、投げ飛ばされる！そう思ってまもなくして、私の予想どうり投げ飛ばされた。