第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
「ハァ…ハァ…!」
「…っ」
『緒戦から凄まじいバトルだったぜ!!腕相撲は回復後にやるからしっかり休んどけ!とりあえず両者の健闘を称えてクラップユアハンズ!!!』
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引き続き、第2戦が始まった。緒戦からヒートアップした会場にマイクの実況が響き渡る。
『お待たせしました!続きましてはコイツらだ!!優秀!!優秀なのに拭いきれぬその地味さはなんだ!ヒーロー科、瀬呂範太!』
「ひっでえ」
そう言いながらも瀬呂は軽くストレッチした。
『VS…!2位、1位と強すぎるよ君!同じくヒーロー科 轟焦凍!!START!!!』
「まァ…勝てる気はしねえんだけど…つっても負ける気もねえ!!!」
そう言った直後、瀬呂は肘からテープを射出して轟を巻いて拘束した。
『場外狙いの早技!この選択はコレ最善じゃねえか!?正直やっちまえ瀬呂ーー!!!』
しかし、轟も負ける気などあるはずはなく…
「悪ィな…」
キィイイン…
「……ーー!!!?」
一瞬にして会場の空まで突き抜けるほどの巨大な氷が現れ、瀬呂諸共氷漬けにしてしまった。対人戦闘訓練の時と同じように、辺りには氷点下の冷気が漂い、寒さに堪えながらも観客や生徒、実況解説のマイクや消太でさえ驚きのあまり言葉を失った。
「や………やりすぎだろ…」
主審のミッドナイトも半分氷漬け状態だ。
「…瀬呂くん……動ける?」
「動けるハズないでしょ…痛えぇ…」
「瀬呂くん行動不能!!!」
氷漬けになった瀬呂の元へ、轟が静かに歩み寄る。会場からはどんまいコールが沸き起こった。
「すまねえ、やりすぎた…イラついてた。」
自然と沸き起こったどんまいコールのなか、自身が凍らせたのを左手で溶かしていく轟の姿が、緑谷にはひどく悲しく見えていた。
「轟くん、2回戦進出!!」
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『ステージを沸かして次の対決!!またしてもB組からの刺客!!キレイなアレにはトゲがある!?塩崎茨 VS…スパーキングキリングボーイ!上鳴電気!!』
「申し立て失礼致します…刺客とはどういうことでしょう?私はただ勝利を目指し、ここまで来ただけであり…」
『ごっ、ごめん!!』
「B組にもこういう感じいるのね…」