第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
こうして昼休憩が終わり、体育祭は後半が始まった。
『最終種目発表の前に予選落ちの皆へ朗報だ!あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ…ん?アリャ?』
『なーにやってんだ…』
『どーしたA組!!!?』
そこにチアリーダーとは別に最終種目に進めなかったA組の女子たちがチアリーダーの格好をしていた。
「峰田さん、上鳴さん騙しましたわね!?…何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの私…」
「アホだろあいつら…」
「まぁ、本戦まで時間あるし張り詰めててもしんどいしさ…いいんじゃない?やったろ!!」
「透ちゃん好きね…」
皆が恥をかいているなか、葉隠だけはノリノリだった。
『さぁさぁ、皆楽しく競えよレクリエーション!それが終われば最終種目進出4チーム総勢16名からなるトーナメント形式!!1対1のガチバトルだ!!』
「トーナメントか…!毎年テレビで見てた舞台に立つんだあ…!」
「去年トーナメントだっけ…?」
「形式は違ったりするけど例年サシで競ってたよ!去年はスポーツチャンバラしてたはず。」
「それじゃあ組み合わせ決めのくじ引きしちゃうわよ。組が決まったらレクリエーションを挟んで開始になります!レクに関して進出者16人は参加するもしないも個人の判断に任せるわ!息抜きしたい人も温存したい人もいるしね!んじゃ1位チームから順に…」
くじ引きが始まろうとしたその時、「すみません」と挙手して遮る者がいた。正体は尾白だった。その後に放たれた言葉は会場をどよめかせた。
「俺、辞退します…」
彼の話によると、さっきの騎馬戦での記憶がぼんやり程度にしか覚えていないらしい。尾白が組んでいたのはB組の妖崎…彼女のなんらかの個性で記憶が有耶無耶なのだ。彼のプライドが、こんな中途半端か形でこの場に立っていることを許さないのだ。周りの反対を押し切って、尾白は最終種目を辞退…それに便乗してB組の庄田二連撃も辞退した。
『なんか妙なことになってるが…ここは主審ミッドナイトの采配がどうなるか…』
「そういう青臭い話はさァ…好み!!庄田、尾白の辞退を認めます!繰り上がりは5位の拳藤チームから鉄哲と塩崎で16名!組はこうなりました!」