第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
『上を行く者にはさらなる受難を…雄英に在籍する以上何度でも聞かされるよ…これぞPlus Ultra!予選通過1位の四楓院さくらさん、持ちポイント1000万!!』
「………みんな、目線怖いよ…」
ーーーアンタが雄英!?バッカじゃないの?そんな体でヒーローになんかなれるわけねえじゃん!
あの時とは違う周りの目…この2週間の努力の結果が出たのは嬉しいけど、トップというのはこんなに重いものなのか…
『制限時間は15分。振り当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり、騎手はそのポイント数が表示されたハチマキを装着!終了までにハチマキを奪い合い、保持ポイントを競うのよ。取ったハチマキは首から上に巻くこと!取りまくれば取りまくるほど管理が大変になるわよ!そして重要なのは、ハチマキを取られても、また騎馬が崩れてもアウトにはならないってところ!』
つまりは、42人10~12組がずっとフィールドにいるという計算だ。各々が思考を巡らす中、チーム決めの交渉が始まった。
『個性発動ありの残虐ファイト!でもあくまで騎馬戦!悪質な崩し目的での攻撃等はレッドカード!一発退場とします!』
「おーい爆豪!俺と組もう!」
「…くそ髪…」
「切島だよ覚えろ!おめえどうせ騎手だろ!?そんならおめえの爆発に耐えられる前騎馬は誰だ!?」
「………根性のある奴」
「違うけどそう!硬化の俺さ!ぜってーブレねえ馬だ!奪るんだろ!?さくら…1000万…!」
鋭児郎の2つのワードに、勝己は上等だと言わんばかりにニッと口角を上げた。一方さくらはというと、誰と組もうか未だに悩んでいた。やはり皆同じクラス同士で組んでいる。他クラスの個性は把握していない。どうにかしたいのは山々だが、ポイントがデカすぎで逆にかなり避けられていて誰も近寄ってこないのだ。やはり保持し続けるより終盤に奪うとかした方が戦法として理にかなっている。
「四楓院さん!」
「デクくん…!?」
「僕と組まない?」
「いっ…いいの!?多分私1000万だから絶対狙われちゃうと思うけど…」
「ガン逃げられたら四楓院さんが勝つと思うよ」
「それは過信しすぎたよデクくん…」