第7章 熾烈を極めし、雄英体育祭
会場のモニターに映し出されたのは、マイク先生。雄英高校教師の傍らではDJもしているだけあって最高の盛り上げ役。そういえば実技入試の時もマイク先生だったな…
『白熱しろオーディエンス!!群れマスメディア!今年もお前らが大好きな高校生たちの青春暴れ馬…雄英体育祭が始まりEverybody…Are you rady?』
その歓声は入場通路にまで響いていた。
『1年ステージ!生徒の入場だー!雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!どうせテメーらあれだろ!こいつらだろ!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!ヒーロー科!1年A組だろー!!!』
わぁああああ…!!!
会場に入った瞬間に、はち切れんばかりの歓声が響き渡った。会場は熱気に溢れ、観客席はびっしりと人で埋まり、満席となっていた。さすがは雄英高校の体育祭…全国放送されるだけあって、規模が大きい。そんな会場にいるのは、普段あまり関わることがない普通科やサポート科の生徒たち。その中に、艶子さんと右京さん、左京さんの姿もあった。艶子さんは既に勝ち誇ったような表情を浮かべて私を見ていた。
ーーー絶対に負けない…消ちゃんへの想いは、誰にも負けないんだから!
解説席を見上げると、そこにはマイク先生と消ちゃんの姿。まるでタイミングがあったかのように、消ちゃんと目が合った。消ちゃんは私から目線を逸らそうとしない。すると、消ちゃんが私に拳を向けてきた。それは、私が何か大きなものに挑む時に気合い入れの1つで必ずやる、消ちゃんとのやり取り。私も消ちゃんに向けて拳を向けた。消ちゃんは薄い笑みを浮かべた。
「ひ…人がすごい!」
「大人数に見られる中で、最大のパフォーマンスを発揮できるか…これもまた、ヒーローとしての素養を身につける一環なんだな」
「めっちゃ持ち上げられてんな!なんか、緊張するな…なァ爆豪!」
「しねえよ!ただただアガるわ!」
会場の熱気に圧倒されていたのは、私だけじゃなかった。その空気で緊張する人、高揚する人、冷静でいられる人…それぞれで沸き上がる会場を見回していた。ヒーロー科に続いて普通科のC、D、E組、経営科のF、G、H組、経営科I、J、K組も入場してきた。1年全員が集まったところで、ミッドナイト先生が出てきた。
「選手宣誓!!」