第6章 “想い”と“ライバル”※微裏注意
でも、これも賭け。それはあくまで勝己くんが優勝したらの話…。雄英の強者たちが一斉に集まる体育祭…さっきの艶子さんや右京さん、左京さんも出るに違いない。その中で彼が優勝する確率は極めて低いかもしれない。それに、仮に勝己くんが優勝したとしたらそれは、私も艶子さん敗れた事になっている。どちらとも、消ちゃんに告白する権利はない。今はそれよりも、体育祭にも耐えられる体づくりが大前提…だけど。
「…まあ、聞くまでもねえがな…」
「なっ…」
彼のこの自信は一体どこから沸いてくるんだろう。そう思った時、不意に私の首元に勝己くんの顔が寄ってきた。同時にピリッと痛みを感じた。
「え、今何したの!?」
「さァな…?」
してやったりといった不敵の笑みを見せられ、私は咄嗟にカバンから鏡を出した。痛みを感じたところを写すと、そこにあったのは小さなアザ。そう、それは世にゆう「証」。ほかの男の人を寄せ付けないための証…勝己くんは本気で私を自分のものにするつもりだ…!
「俺は本気だ…お前があの教師を気にかけてんのは知ってる。だから余計盗み甲斐がある」
「ぬ、盗み甲斐って…」
勝己くん、ほんと大胆不敵…。
「いいぜ、付き合ってやる。だが、生ぬるいトレーニングじゃねえぞ」
「上等…!よろしくお願いします…!」
私は深々と頭を下げた。もう、なりふり構ってられない。強くなる…そう決めたんだから。あと2週間…みっちりトレーニングして、必ず…艶子さんに勝つ!!
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