第2章 波乱の初日
「...担任の相澤消太だ...よろしくね」
「「「担任!?!?」」」
みんなが驚きを隠せないなか、消ちゃんはあるものをみんなに見せた。
「早速だが、これ着てグランドに出ろ」
それは体操服だった。入学式すらまだなのに突然の出来事に、みなは戸惑いを見せながらも各自体操服に着替え、グランドに向かった。
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「「「個性把握テスト?!」」」
「入学式は?ガイダンスは?」
さっきの女の子、麗日お茶子ちゃんが消ちゃんにそう言うと。
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよー...雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生らもまた然り...お前たちも中学の頃からやってるだろ?」
そう言うと消ちゃんはズボンから、ひとつのタブレットを取り出した。その画面にはボール投げや立ち幅跳び、50メートル走などたくさんの項目が表示されていた。それは個性使用禁止の体力テストの項目だった。
「個性使用禁止の体力テスト...国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まっ...文部科学省の怠慢だな。...実技入試成績のトップは爆豪だったな」
「お...おう」
返事をしたのは、まさかのさっきのぶっ殺すとか言ってためちゃくちゃ怖い人だった。実技試験成績...トップだったんだ...そんなに凄い個性なのかな...
「中学のとき、ソフトボール投げ何メートルだった?」
「...67メートル」
「じゃあ、個性使ってやってみろ」
消ちゃんに促されて、爆豪くんはボール投げのサークルの中に入る。
「円からでなきゃ何してもいい...投げろ...思い切りな」
消ちゃんからボールを受け取った爆豪くんは軽く腕のストレッチをすると「んじゃ...」と気合いを入れる。
「死ねええェエええッ!!!」
とてつもない炎と爆風に乗ってボールはあっという間に姿を消した。凄い...これが実技試験成績トップ...。
「まず自分の最大限を知る...それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
そう言いながら消ちゃんは私たちにタブレットを見せた。そこには『705.2m』という桁外れな数字が表示されていた。
「705メートルってまじかよ...」