第1章 2代目は継娘
とある場所にある、極道事務所の赤塚組に多くの傘下が集まり、朝から物々しい雰囲気で、近隣住民たちは気が気でない。
「また闘争でも始まるのかね?」
「この街から出ていってくれないかしら」
「でもこの間、被災地に炊き出しに行ったそうよ」
「悪い人たちじゃないのは分かるけど…。ヤクザっていうのがね…」
そんな周辺の人たちの声を知ってか知らずか、組長のイヤミを前に、全員が首を揃えていた。
「みんな、集まったザンスね?」
「「へい」」
「今日は重要な話があって、集まってもらったザンス」
全員に緊張が走る。
「ミーは組長を、引退するザンス」
「「えええええええええええええええええ!!」」
「お、俺たちはこれから、どうすればいいんですか?!」
「落ち着くザンス、おそ松。ミーの後を継ぐのは、ミーの娘ザンス」
「娘?娘さんが、いらっしゃったんですか!」
「カラ松。チミはそういうことだけは、敏感ザンスね。まあいいザンス。」
イヤミが2回手を叩くと、大人しそうな女性が出てきた。
「みんなに挨拶するザンス」
「○○です。はじめまして」
「かっ!!かわいい!」
「出っ歯じゃない!」
「チョロ松ザンスか、今言ったのは?!継娘ザンス!」
「でもこんな子に、何ができるんすか?」
「一松の疑問は、当然ザンス。でも心配いらないザンスよ。ちゃんとミーがサポートするザンス」
「なら、だいじょうブルペン!!」
「他に文句のある奴は、いないザンスか?」
「あのー」
「トド松ザンスか。なんザンス?」
「闘争とか、彼女…いえ、2代目も行くんですよね?」
「当然ザンス」
「戦えないでしょ、どう考えても!!おかしいよね?!俺たちがこの子を守らなきゃならないの?!無理だし!」
「ちょ、トド松!!口が過ぎるぞ!!」
他の連中も、騒ぎ出した。
「静かに!落ち着くザンス!」
イヤミの言葉にも耳を貸さず、ざわざわと文句を言う。
「ただの足手まといじゃないか!」
「俺たちは、子守りをしに、この組に入ったんじゃないぞ!!」
「組長!今日限りこの組を、辞めさせてもらいます!」
「俺も!」
「俺も!」
数人が立ち上がり、出ていこうとした時。
いつの間に移動したのか、玄関に○○が立ちふさがった。
「邪魔すんな!!」