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Break! 【イナズマイレブン】

第10章 Become! 〈天晶 瑠璃〉


ーー金曜日

『おはよう、ヒロト君』
「ああ、おはよう」
『今日は部活動編成かぁ…』
「サッカー部、来てくれるんだよね?」
『うん。でも期間限定だからね?』
「分かってるさ」

星羅ちゃんから昼休みに屋上に集まるように連絡があった。多分作戦を伝えてくれるんだと思う。私は星羅ちゃんを信じるって決めた。星羅ちゃんも辛いって分かってるから。

『昼休み、屋上だって。聞いた?』
「ああ。鬼道君から連絡があったよ」
『なら良かった。そういえば今日は部活動編成だよね』
「サッカー部に来てくれるんだよね?」
『うん。でも期間限定だからね?』
「分かってるさ」

大好きなバレエが当分出来ないのはちょっと悲しいけど、ヒロト君が守ってくれるらしいから、取り敢えずはサッカー部のマネージャーをする事にする。そして、昼休みの鐘が鳴ったと同時にヒロト君と屋上に駆け上がった。

「皆揃ったね」
『星羅ちゃん、作戦を伝えてくれるんでしょう』
「勿論。そのつもりで集まってもらったの」

鬼道君が腑に落ちない顔をしている。そんなに強引な作戦なの?

「作戦は至ってシンプルで、陽動作戦。…無茶を承知で言う。私と一緒に乃愛ちゃんと瑠璃ちゃんは相手に捕まってほしい。
「それはっ…!」
『分かった』
「でも…!」
『私、決めてるの。星羅ちゃんの決めた事なら付いていくって。だから大丈夫』
「あたしも。星羅が苦渋の決断をしたのは分かってる。だから、私も星羅に付いていく」
「ありがとう。相手の目的は私だから乃愛ちゃんと瑠璃ちゃんは私とは別の場所に監禁されると思う。そして警備も薄くなる。そこをついて上手く抜けだしてほしい」
「どうやって抜けだすんだ?」
「それに付いては安心してほしい。スペシャリストを紹介してもらう予定だから」
『スペシャリストって…?』
「後でわかると思う。乃愛ちゃんと瑠璃ちゃんが抜け出す前に鬼道君と豪炎寺君とヒロト君には表から動いてほしい」
『と言っても正面からどうも〜って行くわけには行かないよね?』
「だからそこは、こっそり侵入したけどバレたって感じで上手くコントロールして欲しい。鬼道君達なら出来ると信じてる」

それなら、自然な陽動作戦だ。星羅の計算はほぼ正確。この作戦が一番成功率が高く、そしてお互いの信頼関係によって成功率が高まったと言えるだろう。そして、リスクもそれなりに高い。
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