第9章 Rise! 〈綾織 星羅〉
「万が一死んだりでもしたら…」
『死なないよ。相手は殺さない。死ぬギリギリのラインを保ってくる』
「くっ…」
『心配しなくて良いよ。私は負けない。鬼道君が来てくれるのを私は信じてる』
「…分かった、お前の案に乗ろう」
『ありがとう。明日にはスペシャリストが紹介される。それからまた話をしたい』
「分かった」
『今日はもう寝ないと。お風呂入って寝るね。また明日、鬼道君』
「あ、ああ」
この作戦が一番成功率が高い。けれど、その分リスクも大きい。ただ、そのリスクを一番確実に背負うのは私だから妥協してこの案を選んだ。明日の昼休みにでも皆で集まって話した方が良さそうだ。
ーー翌日
『おはよう、鬼道君』
「ああ、おはよう」
『今日、昼休みに六人で集まりたい。男子の方に連絡お願いして良いかな』
「分かった」
『それと、今日が部活動編成だよね。サッカー部のマネージャーとしてお世話になるから、宜しくね』
「ああ、それじゃあ行くか」
『うん!』
これなら、大丈夫。でも、あまり早く動くのもどうなんだろうか…。あえて遅く動いた方が良いのかな?
『多分、これからは前のように直接襲ってくる事はしないと思う』
「だろうな」
『今日の朝、春川先輩が少年院送りになったのはニュースで確認した。あとは、いつ実践に移すか』
「そうだな。そこが鍵だ」
『私は、あえての予想なんだけど…。これから、相手は攻撃の手を緩める。何故なら大切な駒を一つ失って、戻すまでのリカバリー期間が必要だから』
「リカバリー期間内に行動に移すのが得策だな」
『あとちょっとって所が一番敵は焦る。そこじゃないかな』
「あとはリカバリー期間を計算する必要があるな」
『恐らく、最大でも五ヶ月。最小でも三ヶ月。でも、三ヶ月で表に出る可能性は低い。相手は確実に潰す事を狙ってきた。生半可な期間で止めに入るのはきっと相手は好きじゃない』
恐らく、四ヶ月でリカバリー期間が終了すると考えてやった方が良い。
「どうやら、考えている事は同じようだな」
『うん』
「一週間で、此処まで変わるとはな」
『なんだか、なよなよしてる場合じゃないって分かったら、しっかりしなきゃと思って。鬼道君のおかげだよ。ありがとう』
「お前が変わったんだ。俺の力じゃない」
『ありがとう。それじゃあ、今日も一日頑張ろうか。旦那さん?』
「は⁉︎」
大胆だったかな?