第7章 Wake! 〈天晶 瑠璃〉
「わ、分かった」
妹達にまで手を出すなんて…!どういう事なの。とりあえず今日は寝よう。星羅ちゃんが心配だけど、それは鬼道君が何とかしてくれると信じてる。
ーー翌日
「おはよう」
『おはよ〜。ヒロト君』
「ああ、昨日は何も無かったかい?」
『まぁ、何かあったとすれば、それはヒロト君だよね』
「そ、それは…」
『取り敢えず、行こっか』
「あ、ああ」
妹達も無事に送り出せたと思うし、登校途中に何もなければ良いんだけど…。
「妹さん達が心配?」
『そりゃそうだよ。登校途中に何も無ければ良いんだけど、私は小学校とは逆の方向だから、私が守ってあげることができない。だから小中一貫校なのが幸いし、藍が守ってくれると信じて行くしかない』
今日は登校途中に何もなかった。いきなり何も無くなるだなんて。ちょっとおかしい。もしかして、今日は乃愛ちゃん…?
『嫌な予感がするなぁ』
「本当だよ」
『多分今日は…乃愛ちゃんの日…』
「!」
『相手の一番上が分からない…』
「瑠璃!」
「乃愛ちゃん…!」
「今日…いきなり家の塀が崩れてきて…!豪炎寺が守ってくれたから良かったけど…」
『やっぱり…!今日は相手は乃愛ちゃんを狙ってきてる!気を付けて…』
目的は分かった。昨日、病院であの人達が来た理由は、星羅ちゃんのサポートをするなっていう事だと思う。もしもしたら、兄妹達がどうなるか分からない…。待てよ…?
『ヒロト君。お願いがあるんだけど』
「何だい?」
『弟達を、お日さま園で預かって欲しいの』
「守るためって事だね」
『うん。お願いしたい。私は星羅ちゃんのサポートをしなきゃいけない。でも、それで家族に被害が及ぶのは…耐えられない』
必然的に震えた。このまま紫や琥珀のように皆怪我をしたり、最悪の場合、亡くなったりしたら、私はもう私じゃいられなくなる。
「君は、強いよ」
抱き締められた。怖かった気持ちも、ヒロト君のその一言で全てが変わっていった。あったかい、そう思った。
『ありがとう。ヒロト君。でも、ここ学校だよ?』
「あっ…」
『あはは、ヒロト君結構面白いね』
「ちがっ…これは…母性本能というか!」
『良いよ〜。気にしてないし』
でも、ここで色恋沙汰を楽しむ訳にはいかない。星羅ちゃんが苦しんでるから。全部終わったら、負けを認めるよ。君の気持ちに応えてあげる。