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Break! 【イナズマイレブン】

第7章 Wake! 〈天晶 瑠璃〉


放課後、チャイムが鳴ると、教室を出てバレエスクールに向かった。今日は多分見学だけだろうし、バレエシューズもないから取り敢えず真っ直ぐ向かってみる。ビルの二階にあるようで、恐る恐る階段を登った。

『あの、連絡いってると思います。天晶 瑠璃です』
「待っていたわ。天晶さん」
『貴女は…』
「私は蓮見 響子。このバレエスクールでレッスンを担当する者よ」
『まだ、バレエシューズが用意出来てなくて、今日は見学に来たんです』
「基本なら出来るでしょう?ぜひ、基本だけでもやっていって。少しずつでも感覚を戻して行くわよ」
『は、はい』

ストレッチは一応毎日していたから、柔らかさはそんなに衰えていない筈…!

「そんなに緊張しなくて良いわ」
『本当は…バレエをもう一度やりたかったんです』
「…!」
『だから、貴女に本当に感謝しているんです。ありがとうございます』
「才能の原石を磨くのが私の仕事よ。埋もれているのなら掘り返す。それも私の仕事」
『ありがとうございます』

嬉しかった。もう一度バレエが出来るのが。基本だって胸が踊る。これから出来るのが、嬉しいから。

「余程バレエが好きなのね」
『はい!』

楽しい、手先をピッとするのも、足をピンとするのも。全てが、蘇る。

「今日はここまでね。貴女の才能は良く分かった。約束通り、私は貴女に無償でレッスンを提供する」
『ありがとうございます!また明日も来て良いですか⁉︎』
「ええ、勿論よ。待っているわ」

時間を見ると六時近くにまでなっていた。

『ヒロト君に連絡しなきゃ』

スマホを出してヒロト君に電話する。男の子に電話なんてした事ないからちょっと緊張する。

『もしもし、ヒロト君』
「うん。迎えだよね。すぐ行くよ。場所は?」
『うん、えっと…』

住所と周りに見える建物を伝えた。なんで、ヒロト君は私の事を気にかけるんだろう?

「お待たせ」
『うん。迎えに来てくれてありがとうね』
「全然良いよ。それに、鬼道君から連絡を貰ったんだ」
『え?』
「君の友達、綾織星羅ちゃんが何者かに狙われている」
『え…?星羅ちゃんが?』
「もしかしたら君達にも被害が来るかもしれないからってね」
『…』
「僕が来たのはそれだけじゃない。君がそもそも注意力が足りなさそうだと思ったから」
『それは酷いよ〜』

結構な言いようだな、もう。
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