第52章 Connect!〈天晶 瑠璃〉
『初日の割に結構はしゃぎすぎちゃったんじゃない?』
「そうかもしれない」
『バレエの留学が終わったらすぐ戻ってくるから』
「待ってる。それと、一つ報告があるんだ」
『報告?』
「正式に、吉良 ヒロトになるんだ。父さんの吉良財閥をお日さま園の皆で継いでいこうって話になって、社長は俺が勤める事になったんだ」
『そうなの⁉︎』
「ああ。俺達皆で話し合って決めた事なんだ」
『そっか…。皆で決めたんだね。私もちゃんとサポートするから、安心してね』
「助かるよ」
なんか、久し振りに会えたのはいいけど、そんなにいい雰囲気にならないなぁ。
『あのね…』
「ん?」
『キス…したい…』
「うん」
唇にそっと、優しいキスが降ってくる。久し振りの感覚は、なんだか変な感覚で。
「本当は、此処でするつもりは無かったんだ」
『あっ…』
無理を言ってしまった…。どうしよう、困らせるつもりは無かったのに。
「違うんだ。そういう意味じゃなくて、此処でしたら止められる自信が無かったから」
『ふえぇぇぇ…』
そっか。会えなくて寂しいのは二人とも同じ気持ちだもんね。
『大好きだよ。ヒロト君』
「俺も」
『えへへ。私達って側から見たらきっと変な人達なんだろうなぁ』
「それは瑠璃だよ」
『えっ…酷い…』
「冗談だよ」
『も〜』
もう、これだけで心が躍るようで。惚れるとこうなっちゃうんだなぁって思ってしまう。それでも良いって思ってしまう私は、きっともう「末期」ってやつなのだ。
ーー最終日
『もう帰っちゃうの…?』
「一週間の予定だったから。俺ももっと居たいんだけど」
『終わったらすぐ帰るから!』
「こっちは大丈夫だから。瑠璃もバレエ頑張って」
『うん!気を付けてね!家に帰るまでが旅行だよ!』
「そんな修学旅行みたいな…」
『じょ〜だん!また半年後だね』
「瑠璃」
『ん?』
いきなり空港で跪きだした。周囲の人々が珍しい物を見るかのように此方を見ている。
「Will you marry me?」
『えっ…⁉︎』
これはつまり…?結婚して欲しいって事で…?嘘…!
『You’re the love of my life, and my answer is yes, yes, yes!』
涙ながらに伝えた。もう、怖くない。私…貴方の奥さんになります…!お父さん、お母さん。私、幸せです!