第51章 Envy!〈朝日奈 乃愛〉
瑠璃がバレエ留学のためにアメリカに留学し、星羅も解放された。でも、鬼道君に付いていくとかでイタリア語を猛勉強中。イタリアの大学の入試を受ける為に凄く勉強してるみたい。
「きゃー!豪炎寺せんぱーい!」
そして、イナズマジャパンが優勝してから代表選手の人気が半端ないったら。
「豪炎寺君も大変そうだね」
『鬼道君は?』
「雰囲気があんなだから…」
『まぁ、怖いっちゃあ怖いか。でも、流石に彼女がそれ言っちゃおしまいでしょ』
「豪炎寺君を見て、自分がああならない様にわざと怖くしてるみたい」
『成る程』
そういう所は鬼道君らしいのかもしれない。FWは点取り屋なだけあってモテやすいからなぁ。今更気にしないつもりだけど、やっぱりペタペタされると彼女としては少し複雑な物で。でも、面倒臭いとか思われたら嫌だから、口に出しては言わない。
「乃愛ちゃんはヤキモチとか妬かないの?」
『妬かないって言ったら嘘になるかなぁ。でも、覚悟はしてたし』
家に帰る時も二人で話せるし。お昼はちょっとギャラリー多くて無理だけど…。
「相談したい事があったらいつでも聞くからね!私も助けてもらったし…!」
『ううん。星羅の悲しい顔は好きじゃないもん。戻ってきてくれて本当に嬉しい』
「でも、瑠璃ちゃんがアメリカに行っちゃったから少し寂しいな…」
『今度基山君が瑠璃に会いにアメリカ行くんだって。その時に差し入れ持っていって貰おうか』
「うん」
瑠璃はFFHI以降、凄く綺麗になった。見違える様な美しさで、細いし、可愛いしで男子からの人気もえげつなかった。やっぱり好きな物を追いかける女の子は強くて美しいってこういう事なんだろうな。
『そうだ、今週の土曜に駅前のライブハウスでライブがあるの。うちのバンドも出るから、良ければ見に来て』
「勿論だよ!何歌うの?」
『当日のお楽しみ。有名な曲を結構歌うから期待しといて!』
「はーい」
『夜からだったけど、大丈夫そう?』
「うん、有人君の都合が合えば一緒に行こうかなって思ってたの」
修也も見に来てくれるかな。夕香ちゃんの事もあるし、無理そうかな。本当は日頃会えない分、こういう時に一緒にいられたら良かったんだど。
「あ、鐘鳴っちゃった…!」
『急がないと。五限目に遅れない様にね』
「うん!バイバイ、乃愛ちゃん!」
慌しく教室を出て行く背中を見守った。