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Break! 【イナズマイレブン】

第45章 FFHI Ⅷ〈Girls〉


何だか、段々悲しくなってきた。こんな事なら、私だけパーティ行かなきゃ良かった。褒めても貰えないし、挙げ句の果てには怪訝そうな顔されるし。パーティ会場に着いてからも泣きそうな顔を普段の顔に戻せなかった。

「お嬢さん。折角の可愛らしいお姿が台無しですよ」
『貴方は…』
「イギリス代表、ナイツオブクイーンのキャプテン、エドガー・バルチナスです」
『そうでしたか…。明日は是非、お互い良い試合にしましょうね』
「ええ。ですが…」

頬に触れてくる手は、少し冷たかった。細くて綺麗な指先が頬が撫でていく。

『あ、あの…』
「綺麗な顔が台無しだ。何か悲しい事でもあったのですか?」
『…やっぱり、分かってしまいますか?』
「ええ。だがそんな貴方も儚げで美しい」
『そんな事…初めて異性の方に言われました』

凄いな…。流石はイギリス人、女性を口説くセンスはすごく高い。

「おや、そうでしたか。貴方の一番に慣れて何よりです」

跪いて手の甲にキスをされた。手の甲は敬愛だったような…。

『あ、ありがとうございます…』
「おい、椿姫」
『あ、明王君…』
「行くぞ」
『ちょっと…!そ、それじゃ失礼します…』

申し訳無いけど、お辞儀をしてその場を離れた。

『い、痛いよっ!明王君…!』
「ちっ…」
『わ、私、戻るから…!』
「待て」

強引に引き止められる。まだ腕の痛みが残っていた。

「お前、アイツと何話してた」
『別に…世間話位で…』
「手の甲にキスされてただろ」
『別に深い意味は無いよ…多分』

俯いて、明王君から目を逸らした。

「手の甲のキスはなぁ!」
『知ってるよ!ちゃんと知ってる!でも、エドガーさんはちゃんと言ってくれた!お世辞でも、綺麗って言ってくれた…!』
「っ…!」
『明王君…何も言わないし…寧ろ怪訝そうな顔するから…。こんな事なら…パーティ何て来なきゃ良かった…!』

何でだろ。涙が溢れて止まらない。分かってたのに。何も言わない事位…。

「あ〜くそっ…」

噛み付くように塞がれた唇に反応出来なかった。何が…起きているの…?

『んんっ…明王君っ…』
「綺麗だ…。本当なら誰にも見せたくねぇよ」
『え、あ、ちょっと…』
「…悪かったな。言ってやらなくて」
『今言ってくれたから…それで良い』
「いつまでも泣いてんな。俺が揶揄われる」

そう言って目尻に口付けた。
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