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Break! 【イナズマイレブン】

第43章 FFHI Ⅶ〈朝日奈 乃愛〉


『ばか…』
「褒めただけだ」

そうやってすかした様に笑う君が一番好きだったりする。口に出して言ってはあげないけど。

『早く戻ろ。皆来てるから』
「もう少し…」

ああ、ダメだ。止まれなくなっちゃう。

『だめ…だってば…ん…』
「久し振りだからな。今日くらいは許してくれ」
『だって、皆待ってるのに…ふぁ…んっ』
「少しだけだ」

そう言って止めなかった前歴を持つ誰かさんはどこにいるんでしょうかね。でも、ずるずると流されて止めなかった自分もいる訳だけど。

『ちょっと…しゅう、うやっ…あっ…』

もぞもぞと服の中に手を入れてきた。やっぱり止める気ないじゃん。でも今日だけはだめ。

『はいストーップ!今日はだめ!』
「…ちっ…」
『今舌打ちしたな⁉︎言っとくけど、最初に行ったからね!皆待ってるし、少しだけって!』
「…仕方ない」

仕方ないはこっちのセリフなんですけど⁉︎まぁいいや…。早く皆の所に戻ろう。

『皆集まった?』
「ああ、皆連れてきたぞ」
『よーっし!じゃあこれからトランプ大会を始めまーす!負けた人は罰ゲーム!』
「罰ゲームは何するんだ?」
『その場で決める!』
「…面白そうじゃねぇか」

不動君、余裕ありありの様で。そういうの「フラグ」って言うんだけどね…。

『オーソドックスにババ抜きで良いかな?これ2セット入ってるから少なくとも一人6枚は持てるはずなんだけど…』
「良いんじゃないかな」
『じゃ、ババ抜きで決定ね!誰かシャッフル得意な人ー!』
「俺がやる」
『じゃ、修也宜しく」

何気手先器用なんだよなぁ…。夕香ちゃんによくやってあげてたのかな。

「俺が配って良いか?」
『あ、いーよ。配って配って』

細くて長い綺麗な指がトランプを一枚一枚めくっていく。身体の細かい所って普段あんまり見ないから、まじまじと見て初めて気づく事だってある。

「16人に分けるともなると、やっぱ時間かかるな」
『まぁ、滅多にこんな大人数でやる機会無いし、その間楽しめればそれで良いんじゃない?』
「そうだな!」

高校生ともなれば、結構な頭脳戦になってくるはずだ。

「罰ゲームはやりたくねぇ…」
「お前それ完全にフラグだろ」
「あ?フラグって何だよ。ビーチフラッグの事か?」

流石綱海君…。でもそっちじゃない…!

「配り終わったぞ」
『それじゃ第一回、ババ抜き対戦始め!』
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